お電話
03-6300-0763
10:00~21:00(完全予約制)
2015.03.11
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「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します。
40代女性 会社員
【症状】
更年期障害によるのぼせ(ホットフラッシュ)、足裏の痛み、腰痛、肩こり、右目まぶたが開きにくいなど
一年ほど前の冬、突然顔が熱く火照り出し、流れ落ちるほどの大量の汗が吹き出す症状に悩まされるようになりました。
それは、いつでもどこでもおかまいなしに起こり、そのたびにトイレなどに駆け込んで、顔を冷やし、汗を拭き取らなければならないほどでした。
もしやこれが、更年期・・・!?
婦人科の病院に通い、漢方薬を処方してもらいましたが、あまり効果が実感できなかったため、インターネットでいろいろと検索し、
ようやく辿り着いたのが清明院でした。
最初の問診はHPに書かれている通り、本当に丁寧で多岐に渡りました。
のぼせ以外にも、足裏の痛み、腰痛、肩こり、右目まぶたが開きにくい…etc.と、最近気になっているあれこれの体の不調についても、
じっくりと話を聞いていただけたことで、ここならおまかせしても大丈夫!と徐々に安心感が増していったことを覚えています。
鍼治療というと、体に何本も鍼をさすイメージでしたが、竹下先生の治療はたった一本の鍼のみ。
痛みはまったくありませんでした。
しかし、その効果は感動ものでした。
一日に何度も頻繁に現れていたのぼせが翌日には3、4回に、そして何度か通ううちにまったく出なくなっていったのです。
短期間で、しかもこんなに劇的に良くなるとは!
竹下先生の鍼の効果には本当に驚き、これで救われた・・・と、大げさではなく心底思いました。
寒くなったりムリをしたりするとのぼせが再発することもあるため、それ以降も定期的に通い、今では足裏の痛みや腰痛など、
他の様々な不調も治していただいています。
こちらが多くを語らなくても、脈に触れただけでその日の体調を言い当て、適切な処置をしてくださる竹下先生は救世主のよう。
体全体をトータルに診てくださる先生の存在は本当に心強く、この安心感を手に入れられたおかげでしょうか、
精神的にもずいぶんとラクに、軽く過ごせるようになりました。
もう感謝の言葉しかありません。
清明院と出会えた私は本当にラッキーだと思っています。
そしてこのラッキーはもっと多くの方に体験していただくべきだと思います。
私のように更年期で苦しんでいる方、なんだかわからない不調に悩んでいる方、鍼治療に不安を感じている方・・・、
ぜ ひ一度清明院を訪れてみることをおすすめします。
きっと体調ばかりではなく、心境の好転をも実感できると思います。
私自身、更年期とはこれからも気長に付き合っていかなければいけないのかなと感じていますが、竹下先生の鍼があればきっと乗り切っていけると信じています。
竹下先生、スタッフの皆様、今後ともお世話になります。
どうぞよろしくお願い致します。
【清明院からのコメント】
大変素敵な「患者さまの声」をいただきました。
この方の訴える”のぼせ(ホットフラッシュ)”という症状は、なった人にした分からない、非常に辛い症状です。
しかも、病院などで相談しても、
「年齢のせいでしょう。」
とか、
「更年期だからしょうがない。」
とか、冷たくあしらわれることもあり、また、この方の様に、全く的外れな漢方薬が処方されたりしていることも多く、結果的に、
この方のように泣き寝入り状態になっていることも少なくありません。
初診時、入念な問診、体表観察の後、
「腎虚>肝鬱気逆証」
と弁証し、治療を開始すると、一診目から大きく症状が改善し、週1、2回のペースで治療し、7診目には主訴であったのぼせ感は、
ほぼ消失しております。
もともとハードワーカーであったり、プライベートでも大きな環境変化を控えていたことから、その後も治療を継続し、現在に至ります。
清明院の治療によって劇的に体が良性の変化を見せたことが、この方の日々の生活の安心感に繋がっているようで、嬉しい限りです。
こういった症状でお困りの方は、更年期障害だからとか、年齢だからと諦めてしまわず、是非御相談下さい。
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2015.03.07
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これまでのお話
小半夏加茯苓湯と船酔い
小半夏加茯苓湯と船酔い 2
小半夏加茯苓湯と船酔い 3
小半夏加茯苓湯と船酔い 4 参照
では続きいきます!!
前回は生薬の説明をしました。
茯苓は幻のキノコでしたね。
今日はついでと言っては何ですが、キノコもので有名な生薬をもう一つ紹介します。
◆”猪苓(ちょれい)”という生薬
これは、サルノコシカケ科、チョレイマイタケの菌核を乾燥したものです。
別名「猪屎(ちょし)」というぐらいで、イノシシの大便のような、イヤ~な見た目をしております。(苦笑)
性味は淡、甘、平で、帰経は腎、膀胱で、効果は余分な水分を飛ばすこと(利水滲湿)です。
結果的に解熱したり、口渇を止めたり、利尿作用を出したりします。
茯苓と同じようにキノコ軍団なのですが、茯苓との違いとして、猪苓は茯苓よりも水分を飛ばす力は強いが、心の臓、脾の臓にはあまり効かないので、
鎮静作用が発現しにくいという特徴があります。
しかし、これをあまり不用意に使うと、津液を損傷し、腎の臓のダメージになる、だから気を付けて使え、と言われております。
(『本草衍義』や、易水学派の創始者である張元素(12世紀)がそのように述べております。)
◆キノコと薬
ところで、漢方薬に使われるキノコ生薬としては茯苓と猪苓が有名なんですが、他にも霊芝(れいし)や冬虫夏草(とうちゅうかそう)など、
キノコは、薬としてみた場合、独特な働きを持つものが多いようです。
まあ、抗腫瘍作用だとか、制癌作用なんてのが、わりかしセンセーショナルに扱われやすいですね。
(これはちょっと問題だと思いますがネ。。。)
キノコというのは菌類です。
かの南方熊楠も熱心に研究したという菌類、というのは、自然界では実はけっこう特殊な存在なんだそうです。
参考wiki【菌類】↓↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%8C%E9%A1%9E
【キノコ】↓↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%82%B3
〇
僕の出身は群馬です。
小さい頃、身の回りのオジサンには山菜取り、キノコ狩りを趣味にしている人が何人かおりまして、毒キノコの怖さをよく聞かされていました。
毒と薬は表裏一体なわけですね。
医者が、毒にも薬にもならないようなことはやったらイカンですな。(笑)
小半夏加茯苓湯と船酔い 6 に続く
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2015.03.04
2015.03.01
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これまでのお話
小半夏加茯苓湯と船酔い
小半夏加茯苓湯と船酔い 2
小半夏加茯苓湯と船酔い 3 参照
では続きいきます!!
ここまでで、和歌山の加太の船の上で、油谷真空先生から何気なく渡された「小半夏加茯苓湯」にインスピレーションを得て、ツラツラと書いてきました。(笑)
今日は「小半夏加茯苓湯」を構成する3つの生薬(半夏・生姜・茯苓)に関して、解説しておこうと思います。
サトイモ科、カラスビシャクの根茎であり、医歯薬出版株式会社の『中医臨床のための中薬学』によれば性は温、味は辛、帰経は脾胃、とのことですが、
まあ簡単に言うと、脾の臓、胃の腑、肺の臓あたりに作用し、温め、余分な水分を飛ばしてくれる生薬です。
これは生で食べると軽い毒性がありまして、かつて蓮風先生が若い頃に生で試しに食べてみたら、ノドがカラカラになった感じがして、
呼吸するのもきつく、エライ目にあったという話をされておりました。(笑)
(因みに生で使う場合は外用薬として使い、皮膚の化膿に効果があるようです。)
そして、その半夏の毒性を消してくれるのが生姜なのです。
◆生姜(しょうきょう)
家庭に良くある、ショウガ科ショウガの根茎。
皆さんよくご存じの、しょうが焼きの生姜であります。
性は微温、味は辛、帰経は肺、脾、胃、とのことで、半夏とほぼ同じなんですが、半夏は水分を飛ばす作用が強く、生姜は胃を温める作用が相対的に強い、と見ていいと思います。
つまり半夏と生姜のコンビネーションで余分な水を飛ばしながら胃を温める、ということでしょう。
田畑隆一郎先生の『傷寒論の謎 二味の薬徴』では、半夏と生姜のコンビネーションについて
「嘔、嘔吐を治す主薬にして、停水、宿飲を除き嘔、嘔吐、喘欬、噦(えつ:しゃっくり)、噫(い:げっぷ)を治す」
とまとめて下さっています。
◆茯苓(ぶくりょう)
これはサルノコシカケ科マツホドの菌核を輪切りにしたもの。
主に松の根に寄生する茯苓は、利水作用に優れた生薬として知られています。
性は平、味は甘淡、帰経は心・脾・胃・肺・腎とあり、簡単に言うと、心の臓、脾の臓、胃の腑、肺の臓、腎の臓に作用して、停滞した水を動かし、
結果的に利尿作用だったり、鎮静作用を発揮する生薬です。
これは、分かりやすく言えば松の木の根っこに生えるキノコです。
キノコなんですが、地表に顔を出しているわけではなく、地下に生えているジメッとしたやつで、見つけにくいことから、
”幻のキノコ”
とも言われるそうです。(笑)
この幻のキノコが、みぞおちのところの深い部分に入り込んで停滞してしまった、余分な水分を動かすのです。
地面に埋まっているキノコ(菌類)が、人体の深い部分の水を動かす。
面白いですね~。(*‘∀‘)
そしてこの3つの生薬はどれも植物の”根っこ”、あるいは”根っこに寄生するもの”です。
陰陽で言うと、明らかに”陰の場”である地面の下にある”根っこ”と、そこにくっつくキノコを使って、深い部分に支えた水を動かし、結果的に全体としての気を下げる・・・。
古代中国人、面白い発想しますねー☆
小半夏加茯苓湯と船酔い 5 に続く
◆参考文献
神戸中医学研究会編著『中医臨床のための中薬学』医歯薬出版株式会社
田畑隆一郎『傷寒論の謎 二味の薬徴』源草社
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2015.02.08
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前回のお話
「百会(ひゃくえ)」という経穴
「百会(ひゃくえ)」という経穴 2
「百会(ひゃくえ)」という経穴 3
では、続きいきます!!
前回までで、百会穴の別名である「三陽五会」という呼称に関して、話をしました。
今日は百会穴が持つ、他の意味について考えたいと思います。
◆百会は体のてっぺんにある。
百会というのは、人体にのてっぺんにあります。
体のてっぺんで、”百脈が会する”のです。
ということは、”全身の気”の中でも、とりわけ”上半身の気”を動かすのに、相対的に有利じゃないか、という発想も出来ます。
で、そう考えてやってみると、確かに、そういう働き、側面はあるように思います。
ある種の肩凝りや腕の神経痛、頭面部の疾患に、百会を使って有効な場合があります。
しかし、人体というのは、上半身と下半身、常にその半分半分を、気血津液が縦横無尽に駆け巡って、バランスを調える力が働いているわけです。
上下は密接に繋がっているわけですね。
だから、意外と下半身の病(腰痛や坐骨神経痛や婦人科疾患や腎臓や泌尿器系や腸や肛門の疾患などなど)にも、百会を使う場合があります。
一番上の経穴を使って、一番下の異常を正す、という使い方もあるわけですね。
これは我々にとっての聖典である『黄帝内経霊枢』の官鍼(7)というところに「九刺」という、古代の9種類の刺鍼術について記載されているのですが、ここに
「二曰遠道刺.遠道刺者.病在上.取之下.刺府腧也.」
と書いてあります。
上の病を下に取るとか、下の病を上に取るとか、そういう考え方は、2500年も前からある訳です。
しかしそれを、どうやって判断し、良好な結果を得るか。
ここら辺が経穴選択の妙であり、プロのみが使い分けられるところです。
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2015.01.22
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東洋医学に、「標治(ひょうち)」と「本治(ほんち)」という言葉がある。
これについては、以前少し書いています。
「標治」というのは、その病の「標」を治す、という意味です。
「標」というのは、「現象」のことです。
具体的に言えば、肩凝りとか、腰痛とか、皮膚の痒みとか、生理痛とか、関節痛とか、そういう、「症状」のことです。
「本治」というのはその病の「本」を治す、という意味です。
「本」というのは、その病の「本質」のことです。
具体的に言えば、腎の臓が悪いとか、肝の臓が悪いとか、湿邪が悪さしてるとか、瘀血が悪さしてるとか、そういう、
「その症状が起こっている根本原因」
のことです。
この、「標」と「本」を正確に踏まえていないと、病というのはなかなか思うように治っていきません。
でも、時と場合によっては「標」の方を重視するべき時期、「本」の方を重視するべき時期、というのがあります。
標を治療すれば、いわゆる「症状抑え」にはなります。
その場で肩凝りがゆるんで、楽になって患者さんが喜ぶ、でも、本質は変わってないので、またすぐ戻る、というやつです。
本を治療すれば、いわゆる「根本治療、体質改善」になります。
その場での変化はよく分からなくても、繰り返し繰り返し治療を続けていくと、症状そのものが起こりにくくなってくる、やがて完全に起こらなくなる、というやつです。
我々としては、当然「本治」をお勧めします。
しかし、治療の時間が取れないとか、経済的に厳しいとか、その場で楽にならないといやだとか、色々な患者さんがおられます。
そういう事も全部丸ごと含めて考えて、「標本」を考えないといけません。
その術者の真面目さ、拘り、柔軟性、優しさ、深さ、色々な部分が問われます。
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2015.01.14
2015.01.12
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これまでのお話
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 2
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 3
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 4
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 5
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 6
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 7
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 8 参照
では続きいきます!
では前回の話をまとめるとどうなるか、というお話。
まあ前回の話は、僕の拡大解釈が入っていますが、それが気になる人はスルーしてもらったらよい。(笑)
僕からみると、
道教の立場では脳と心の臓、脾の臓、胃の腑の関わりが強調され、
もともとの東洋医学の立場では脳と腎の臓(精、髄)の立場を強調
しているようにみえる、という話です。
ここで、東洋医学における脾胃、腎、心と精神の働きとの関わりを復習。
◆泥丸の話の続き 3
1.「脾の臓」と精神の関わり
「脾の臓」については「脾」って何ですか?(その9)シリーズに書いた通りなんですが、「脾の臓」と精神との関わりについて補足すると、
『黄帝内経素問』宣明五気篇(23)に、”脾は意を蔵する”という記載が出てきます。
これは、脾は”記憶”、つまりモノを覚える能力と関わることを示しています。
(短期記憶と言ってもいいでしょう。)
また『黄帝内経素問』刺法論(72)には、”脾は知恵袋のような臓”と出てきます。
このことから、東洋医学の言う「脾の臓」というのは、”短期記憶や思考”に大きく関与する臓腑であることが分かります。
短期記憶が出来ないとか、いつもボケーッとして思考力の低い人は、脾の臓が弱いのかもしれませんな。(笑)
2.「腎の臓」と精神の関わり
「腎の臓」についても「腎」って何ですか?(その11)シリーズに書いた通りですが、精神と「腎の臓」の関わりに関して補足すると、
『黄帝内経素問』宣明五気篇(23)に、”腎は志を蔵する”という記載が出てきます。
これは、腎は”長期記憶(記憶の貯蔵)”や”適切な判断力”に関わる、ということを示しています。
また『黄帝内経霊枢』本神篇(8)には、”腎は精を蔵す”と出てきまして、また『黄帝内経素問』六節蔵象論(9)には、”腎は精の居所だよ”と出てきます。
ここでいう「精」の意味には狭義と広義がありますが、まあ、人体における”形体”の基になるもの、と考えてもらったらいいと思います。
(”精”についてもそのうち詳しく書きましょう。)
3.「心の臓」と精神の関わり
これについても、
「心」って何ですか?(その7)
「心包」って何ですか?(その6)
あらかた述べてますので、まずはそっちを参照して下さい。
・・・まあ、あえて補足するとすれば、東洋医学では、精神、意識、感覚に関するあらゆる働きは「心の臓」が蔵する「神」が大元締め、と考えているということです。
ざっくり言えば、「心の臓」はちょうど、西洋医学における脳のような働きを付与されている面があるということです。
〇
このように、「脾の臓」は”意と智”に関与し、「腎の臓」は”志と精”に関与し、「心の臓」は”神”に関与し、それぞれが大きく、精神面の働きに関与します。
東洋医学の「脳」解釈の原点として、『黄帝内経』では、「脳」に関しては「髄海」と表現し、「腎の臓」との関わりが最も示唆されており、
『黄帝内経』よりも後代になってから、道教が脳と「脾の臓」「心の臓」との関わりを提示し、特別な意味を持たせ、明清代に入って、西洋医学とのディープな接触の中で、
東洋医学の中にも、「心の臓」と「脳」の関わりを論じる動きが出てきた、という流れだと理解しています。
(歴史の専門家の方、もし違っていたらご教示ください。)
そう考えると、近世から近代に至る流れの中で、東洋医学では、「脳」というものの働きを解釈する上で、道教の見解を一定の参考にした、とも考えられるわけであります。
このように、道教と東洋医学というのは、長い長い歴史の中で、相互に影響を与え合っている側面があるように思います。
それ以外の宗教についても、同じことが言えるかもしれません。
こういったことに注意を払うことが、我々の臨床の助けになる面がある。
続く
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2015.01.11
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これまでのお話
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 2
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 3
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 4
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 5
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 6
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 7 参照
では続きいきます!
◆泥丸の話の続き 2
前回、道教においては、全身各所、あるいは体の外にも、神がいると考えられており、それを人間の意識で、ある程度コントロールできると考えている、
それを「存思」という、というお話をしました。
そして、その全身の神が集まるところが「脳(泥丸)」だ、という訳です。
今日は、精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 6に書いた『道教辞典』における泥丸の解説の中から、3.と4.に関して、ちょっと述べてみたいと思います。
ここに書いてあることというのは、脳は黄色く、黄色は五行で分類すると「土」に属すことから、脳のことを「泥丸」と言い、別名を「黄庭」という、という説です。
道教をやっていた人たち(道士)は、おそらく東洋医学を知っていたことでしょう。
いや当然、知っていたでしょう。
道教の有名な教典の一つに王義之(303-361)による『黄庭内景経(こうていないけいきょう)』という書がありますが、これなんてモロに、
東洋医学のバイブルである『黄帝内経(こうていだいけい)』のタイトルをもじったものとしか思えません。(笑)
僕は研究家でも歴史家でもないので、この辺の詳しい話は知らないけど、まあ明らかにそうじゃないかなあ、と思っています。
(詳しい方、もし違っていたらぜひご教示ください。<m(__)m>)
まあともかく、道教の話には、東洋医学の言葉がよく出てきます。
道教に関する本を読んでいると、道教の教典とか、修行法のようなものを作っていた人たちは、東洋医学を意識して、あるいは東洋医学の人体観を前提として書いたんじゃないか、と思われるような記載が非常に多い。
でもそれが、東洋医学の言う定義と、ちょっと違っていたりする。
そこが面白かったり、興味深かったりする。
彼ら(道士)の圧倒的な文献量を見るに、東洋医学に関する古文献や記載は、徹底的に読み込んだうえでモノを言っているはず、と僕は思っています。
・・・で、そう考えると、脳に「黄色」とか「土」を当てるということは、五臓では「土」に属する「脾の臓」や「胃の腑」と脳の関係性を、当然意識していたんじゃないかと思います。
そして、”泥丸には全身の神が集まる”という記載からは、もちろん「心の臓」との関わりも。
もしそうだとすれば、東洋医学、『黄帝内経』のもともとの記載では、「脳」というのは「髄海」であり、「髄」は「腎精」と関係が深い、
すなわち脳は「腎の臓」と関係が深い、という説と、若干脳を説明する角度に違いが出てきます。
東洋医学、黄帝内経では脳と腎の臓の深い関わりを示唆し、道教では、脳と脾の臓、心の臓との深いかかわりを示唆する。
そして、西洋医学では精神、意識の中枢は脳にあるとし、東洋医学では精神、意識の中枢は心の臓にあり、とする。
これらの違いをまとめるとどうなるか。
続く。
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2015.01.06
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これまでのお話
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 2
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 3
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 4
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 5 参照
では続きいきます!
ここまでのお話で、日本における「心の臓」と「脳」の認識、中国における「心の臓」と「脳」の認識について、近代の歴史における有名な先生の見解を見ながら話してきました。
東洋医学では古来から、精神を主るのは「心の臓」という考え方が、”つい最近”と言ってもいい、19世紀までは一般的でした。
それが近代になって、西洋医学と接触し、盛んに交流する中で、人間の精神を医学的に考えた場合の「脳」の重要性が、東洋医学の医者の間でもクローズアップされてきた、という歴史があります。
・・・で、結局どうなったかと言えば、日本でも中国でも、「心の臓」については古来からの東洋医学的な「心の臓」であり、
「脳」は「脳」、という感じで、両者の東洋医学的な意味付けの、現時点における明確な分類については諸説あり、
という感じで、なんかモヤモヤ~っとしてて、ハッキリしないわけです。
そこで、中華三大宗教の一つである「道教」の人体観を参考にすると、どうも脳には特別な意義が付与されており、これを参考に、脳に対する東洋医学的な見解を考えて、
認識を深めていくことが、少しでも我々の鍼灸臨床の足しになるのでは、と思う訳であります。
〇
東洋医学の認識的には「脳」は「奇恒之腑」の一つであり、同じく奇恒之腑である「髄」が集まったものであるから、「髄海」と呼ばれる、
というお話は、これまでした通りです。
で、その「髄」というものは「腎の臓」が蔵する”精”が原料になるので、「腎の臓」と「髄」と「脳(髄海)」は関わりが深い、という話もしました。
そして、道教の世界ではどうかと言うと、脳のことは「泥丸(でいがん、ニーワン)」と言います。
(泥の玉ってか。。。)
なんか、たいして大事じゃなさそうな命名なんですが、これが実は非常に大事なんだそうです。
◆泥丸とは
『道教辞典』によれば、泥丸とは、
1.三丹田説における上丹田のこと。
(三丹田説については前回書きました。)
2.ニーワンという語源は”ニルヴァーナ(涅槃)”ではないか、という説がある。
(これはフランスの東洋学者アンリ・マスペロ(1883-1945)の興味深い説だが、異論も多い。)
3.色が黄色であり、五行でいうと”土”に分類されることから、”泥丸”と言われる、という説もあり。
(解剖して血が抜けた状態の脳を見ると、確かにちょっと黄色い。)
4.そこから、泥丸の別名は”黄庭(こうてい)”。
5.道教の修行の究極(宇宙との一体化、自己の超越)に向かう前提となる重要な部位で、体内の全ての神が集う場所
なんだそうです。
(1.~4.まではまあ分かるけど、5.に関しては道教徒じゃないとよく分かりませんな。。。(苦笑))
続く
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12.3(日)市民公開講座やります!!2023.10.01
2023年 10月の診療日時2023.09.23
第41回、日本東方医学会学術大会のお知らせ2023.09.22
第55回、順天堂東医研に参加してきました!2023.09.21
第27回、日本病院総合診療医学会で発表してきました!!2023.09.20
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.09.01
2023年 9月の診療日時2023.08.18
第54回、順天堂東医研で喋ってきました!2023.08.17
順天堂東医研の学生さんと、「森のくすり塾」へ。2023.08.16
診療再開!!2023.08.01
2023年 8月の診療日時2023.07.24
第53回、順天堂東医研に参加してきました!2023.07.23
(一社)北辰会関東支部に参加してきました!2023.07.22
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.07.21
第73回 日本東洋医学会に参加してきました!2023.07.01
2023年 7月の診療日時2023.06.12
(一社)北辰会関東支部定例会に参加してきました!2023.06.11
(一社)北辰会本部会に参加してきました!!2023.06.10
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.06.09
第52回、順天堂東医研で喋ってきました!!2023.06.08
第14回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会に登壇しました。2023.06.01
2023年 6月の診療日時2023.05.31
日本東方医学会、医鍼薬地域連携研究会(DAPA)について2023.05.30
生薬観察登山に行ってきました!