東洋医学 伝統鍼灸 清明院

お電話

03-6300-0763

10:00~21:00(完全予約制)

休診日:日曜(土曜、祝日の診療は18時迄)
〒151-0053東京都渋谷区代々木2-15-12クランツ南新宿601
初診・再診の御予約、予約の変更、
その他お問い合わせはこちら

「悪心・嘔吐」と鍼灸(その10)

2013.12.29

清明院では現在、スタッフを急募しております!!

ぜひ我々とともに、切磋琢磨しましょう!!詳細は
こちら。


*****************************************************************************************
人気ブログランキングへ にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ
↑↑↑         ↑↑↑
読者の皆様、 この2つのバナーを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>
クリック頂くと、ランキングポイントが上がります!
*****************************************************************************************


こんばんは、森岡です(^_^)


前回までのお話・・・


「悪心・嘔吐」と鍼灸
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その2)
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その3)
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その4)
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その5)
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その6)
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その7)
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その8)
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その9)


続き行きます!! 

またまた、少し空いちゃいましたが、「船酔い」の続きです。


船酔いを考察する際に重要なのは、


「揺れ」が生体に及ぼす影響を東洋医学的にどのように解釈するかです。


揺れといっても様々で、大きく分けると「たて揺れ」「よこ揺れ」に分けられると思います。



まず「たて揺れ」からです。


たて揺れは生体の上下のバランスを大いに崩すと考えられます。


特に船上では足場が悪く不安定となるため、下半身でのバランスはとりにくくなります。


そうすると、上半身でバランスを取ろうとします。


こうなると気血は身体の上部に集まり、下半身には相対的に少なくなるという現象が起こります。



この相対的に上半身(上焦)には気血が旺盛にあり、


下半身(下焦)には少ないという状態を、


東洋医学では「上実下虚(じょうじつかきょ)」と呼んだりします。



そして、


気の動きとしては上半身に気血が集まりますから、


「気逆」もしくは「上逆」といって上方向にベクトルが向きます。


(気逆、上逆についてはこのシリーズの過去記事を読んでくださいね)



上実下虚が起こり、気が過剰に上方向に向かい、


特に「胃の和降作用」に影響すると、「悪心・嘔吐」という病態を生みやすくなります。 



また、


五臓で考えると上焦には肺や心の臓が、


下焦には腎の臓がありますので、


気血の過不足が起こることでこれらの臓腑に異常をきたしやすくなります。


肺や腎には気を下方向に循環させる働きがありますが、


これらもうまくいかなくなり、さらに気逆(上逆)が起こりやすい環境を作り出していきます。



次に「よこ揺れ」です。


これは生体の左右のバランスを大いに崩すと考えられます。


生体の左右を主につかさどっているものは何か。


左右は「少陽」という部位です。


つまり、「よこ揺れ」は少陽に大きな異常をきたしやすくなります。 



少陽に属する臓腑は「胆」「三焦」の腑です。



この中でも経絡的に特に左右をつかさどるのが「少陽胆経」です。 


従って、よこ揺れにより「少陽胆経の左右差」が非常に強くなることが言えます。



この胆経の左右差がどこに大きく影響するかというと、


表裏関係である「肝の臓」に出ます。



肝の臓は疏泄作用といって全身に気をスムーズにめぐらす働きがありますが、


胆経の左右差が異常となり、気血がうまくめぐらなくなることで肝の臓の負担が強くなります。



この負担が長引くと肝の臓は異常となり、


気の流れをうまくコントロールできなくなり、


気機(気の動き方)も異常となってきます。



気機が異常となり、そこに「よこ揺れ」からくる左右の動きがきつくなると、


「横逆」といって気のベクトルが横方向へ強く向きます。


横方向に過剰に向かった気はこれまた胃の腑に悪影響を及ぼし、和降作用が発揮されなくなります。 



また、肝の臓と胃の腑はともに中焦といって体の真ん中に位置する臓腑です。 


ですから、肝の異常は胃に及びやすいということも言えます。 



まとめると、


1、たて揺れ・よこ揺れにより気血の流れや経絡のバランスが大いに崩れる


2、臓腑では肺や腎、胆や肝に異常が起こりやすい。


3、これらが重なり、最終的に胃の腑の「和降作用」が失調する


4、現象として「悪心・嘔吐」が出現する


ということになります。



ですから、


予防としてはもともと肺、腎、肝、胆の異常がある人はこれらを調えておき、


少陽胆経の経絡の左右差を平均化しておくことが重要となります。



また、船酔いを起こしてしまったら、


治療としては肺、腎、肝、胆の異常を治しつつ、


気逆や横逆を鎮めるといった手法がメインとなってきます。



さらに、悪心嘔吐が起こっている状況では、


腹部でみると上腹部(季肋部や心下部)に強い緊張が出ていることがありますので、


これらを直接緩めてやる方法もあります。



実際、予防の治療をしたことで以前、船酔いした時よりさらに揺れが激しい状況でも、


ほとんど酔わずに釣りを楽しめたという結果となりました。



それと、豆知識ですが、


船酔いしたときは絶対、船についている「トイレ」に入ってはいけません!!


狭い空間で揺られると一発でノックアウトします(笑)


僕も一度これでヤラれました(苦笑)



さらに、船酔いしそうなときは「ヤバい、ツラい」という意識より、


「釣りが楽しい、ワクワクする」という意識が上回ると船酔いがなくなったりします。


(魚が全然釣れないと船酔いしやすく、釣れだすと全然船酔いしません(笑))



ということで、


長々と、「悪心・嘔吐」について書いてきましたが、どうでしたでしょうか?


臨床上、意外と多く遭遇する病態ですので、このシリーズが皆さまの臨床の一助となれば幸いです。


これで、「悪心・嘔吐」シリーズ、一旦終了です。



では、皆様良いお年を(^_^)


来年も宜しくお願い致します<(_ _)> 



愛すべき読者の皆様、1日1回、こちらのバナーをそれぞれ1クリックお願いします!! 清明院に皆様のお力を! 

↓↓清き1票を!   ↓↓清き1票を!
人気ブログランキングへ にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ


清明院オフィシャルホームページ(PC)

清明院オフィシャルホームページ(携帯)

清明院院長のブログ 「最高の鍼灸の追求



 

関連記事: 森岡

ブログ記事関連タグ

この記事に関するコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


:上の図のアルファベットと数字を、左のボックスに御記入ください。 (迷惑コメント対策ですので、お手数おかけしますがよろしくお願い致します。)

RSSリーダーで購読する

ブログ内検索
おすすめ記事一覧
カテゴリー
最近の投稿
アーカイブ