東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 奇経八脈

中国の宇宙論 ③ 渾天説

2019.05.25

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これまでのお話し

 

中国の宇宙論 ① イントロ

中国の宇宙論 ② 蓋天説       参照

 

 

◆渾天説とは。

 

 

古代中国で、「蓋天説」の後に出てきた、もう一つの有名な宇宙構造論が「渾天(こんてん)説」です。

 

 

「渾天」とは、大きく丸い天、というほどの意味です。

 

 

これは、宇宙を卵のようなものと捉え、黄身が大地、殻が天、上半分は空気、下半分は水、と考え、殻である天が動いているとする、いわば

 

「素朴な天動説」

 

です。(笑)

 

 

これまた、こちらのサイト様の図示とご説明がたいへん分かりやすかったです。<m(__)m>

 

 

これで、二十八宿(星座の動き)二至二分(夏至・冬至・春分・秋分)など、色々なことが説明できるようになったのですが、天が水中に潜るという説、

 

天地が水に浮かんでいるという説は、前漢の当時に「蓋天説支持派」から、かなり論難されたようです。(苦笑)

 

 

蓋天渾天論争では、前漢末期の揚雄さん桓譚さんという人がずいぶん激しく論争したことが知られているそうです。

 

 

しかしまあ、結果的には渾天説の方が実際の現象と合致するため、徐々に渾天説が優勢となっていったという経緯があるらしく、現代的な球面天文学からみても、

 

蓋天説から渾天説への変遷は、科学の進歩、ととれます。

 

 

渾天説を大成したと言われる人物に、後漢の科学者、政治家である張衡(78-139)という人物がいます。

 

 

彼は紀元前4世紀からある「渾天儀」という天球モデルを完成させた人物として有名であり、その著書の中で「渾天説」を明確に述べたことで知られています。

 

 

渾天儀に関してはこちらのサイト様の解説が、実に詳しくて参考になります。

 

 

彼が作った渾天儀は、水時計の水の流れを応用して水流で動き、二十八宿の位置など、現実の現象、位置と悉く一致したといいます。

 

(・・・なんかそれ、欲しいな。。(゜o゜))

 

 

この渾天説と人体観、医学の関わりですが、僕としては真っ先に李時珍(1518-1593)の説が思い浮かびます。

 

 

李時珍の『奇経八脈考』冒頭の「八脈」の部分に、

 

「陽維脉は表、陰維脈は裏で乾坤を言い、陽蹻脉は左右の陽、陰蹻脉は左右の陰で東西を言い、督脈は後ろの陽、任脈衝脈は前の陰で南北を言い、帯脈は諸脈を束ねる、六合を言うなり。」

 

とあります。

 

(文章はかなり省略意訳しています。)

 

 

渾天説における天球の、赤道にあたる部分が帯脈、上下(天地、転じて表裏)は維脈、左右(東西)は蹻脈、前後(南北)は任督衝と、奇経八脈それぞれで、

 

球体としての人体(六合、つまり宇宙)の気のバランスをとっている、と考える説です。

 

 

因みに”宇宙”という単語の出典は『尸子』あるいは『淮南子』であります。

 

(”宇”が空間を意味し、”宙”が時間を意味します。つまり宇宙とは時空のことであります。)

 

 

李時珍は恐らく、天文学についても相当深く理解していたことでしょう。

 

 

彼が、小宇宙である人体を、球体(三次元空間における空間物体)として考えた時に、奇経八脉を用いてこのような論を説いたのは、鍼灸臨床家としては非常に面白い説だと感じます。

 

 

 

続く

 

 

 

 

【参考文献】

 

「蓋天説と渾天説の話」日本科学史学会

「梁武の蓋天説」山田慶児

Wikipedia「蓋天説」

『中国古代天文学簡史 日訳版』浅見遼訳 近代出版

『中国天文学研究』小沢賢二著 汲古書院

『東洋天文学史論叢』能田忠亮著 恒星社

『中国天文学・数学集』薮内清 編 朝日出版社

『古代中国の宇宙論』浅野裕一 岩波出版

 

 

 

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『黄帝内経霊枢』海論篇(33)より

2019.02.25

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北辰会方式でよく使う経穴に「上巨虚(巨虚上廉)」という経穴がある。

 

 

ここは、足陽明胃経上にあり、大腸の腑の下合穴である。

 

(因みに下合穴の出典は『黄帝内経霊枢』本輸篇(2)、邪気蔵府病形萹(4)。ここも見逃せない。)

 

 

「通腑法」といって、ここに瀉法をすることで、大腸の腑を通じさせ、便通をよくする目的で使うことが多い。

 

 

僕もかつて蓮風先生にここに鍼をしてもらい、そのあまりの効果に驚いたことをよく覚えている。

 

 

さて、『黄帝内経霊枢』海論篇(33)に、こんな一文がある。

 

「・・・衝脉者.爲十二經之海.其輸上在于大杼.下出于巨虚之上下廉.・・・」

 

 

奇経八脈のうちの衝脈が、十二経の海であり、その治療穴に大杼、上廉、下廉があると。

 

 

僕はこの一文が、鍼灸学生の頃から気になっている。

 

 

なので、「通腑法」以外の意味や効果を期待して、上廉下廉も使う。

 

 

・・・少し、分かってきた。

 

 

 

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臨床メモ ④ 股関節痛

2019.02.19

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清明院では女性の患者さんが多い、「股関節痛」

 

 

これは、外側に出るもの、内側に出るもの、動作時に出るもの、動作開始時にのみに出るもの、安静時にも出るもの、大腿部にまで放散するものなどなど、痛みの出方は実に様々。

 

 

整形外科で、股関節の変形を指摘されているものも、ないものもある。

 

 

この部位の疼痛は、膝関節と同じく、毎日歩行する以上、安静が保てず、症状が遷延しやすい。

 

 

また、一時的に疼痛が緩解しても、再発を繰り返しやすい。

 

 

鍼灸臨床サイドでは、如何に「人工股関節」という最終手段にさせないか、筋力低下、歩行困難を食い止めるか、がポイントになる。

 

(もちろん無理、無茶はしません。)

 

 

即効性が得られ、なおかついい状態が持続するものの多くは軽症であり、正気の虚が関与しているものであれば、治療に時間がかかることが多い。

 

 

しかし、三歩進んで二歩下がるような地味な治療であるが、キチッとやると、キチッとした効果が期待でき、患者さんから非常に感謝される症状でもある。

 

 

それくらい、歩行時の腰下肢の疼痛というのは嫌なものだ。

 

 

股関節(周辺も含む)に流注する経絡は、ザっと

 

足陽明胃経(経脈(気衝)、経別(髀関)、経筋(髀枢))

足太陰脾経(経脈(衝門)、経別(髀)、経筋(髀))

足太陽膀胱経(経脈(八髎穴、髀枢、会陽穴)、経筋(会陽))

足少陰腎経(経脈(長強、会陰))

足少陽胆経(経脈(環跳、居髎、気衝)、経別(髀枢)、経筋(髀枢、長強、伏兎))

足厥陰肝経(経脈(衝門、府舍)、経別(前陰部で足少陽と会合))

 

となり、

 

(笑・・・足の三陰三陽全部じゃんか!)

 

奇経では、

 

任脈(会陰)

督脈(会陰、会陽)

衝脈(会陰、気衝、陰股の内廉)

帯脈(五枢、維道)

陽蹻脉(居髎、環跳、股外の前廉)

陰蹻脉(陰股)

陽維脉(居髎、環跳)

陰維脈(股の内廉、府舍、会陰の傍ら)

 

となる。

 

(笑・・・これも全部じゃんか!)

 

 

絵が下手だから書かないけど、上記を股関節にズームして図に起こすと、股関節の経絡学的な立体構造が見えてくる。

 

 

それを疼痛部位、可動障害の起こっている方向と照らし合わせれば、経絡学をキチッとやっている人であれば、色々な配穴や診どころが浮かぶ筈。

 

 

まあ、臨床上多いと感じるのは、脾経胃経、肝経胆経から起こるもの。

 

 

それらを勘案して、上手に調整すれば、イケるものはイケる。

 

 

つい最近もイケた。

 

 

今まさにイケつつある症例もある。

 

 

腎の関与がキツイものだと、難しいのかな、という気もする。

 

 

 

【参考文献】

 

『臓腑経絡学』藤本蓮風他 アルテミシア

『現代語訳 奇経八脈考』李時珍著 勝田正泰訳 東洋学術出版社

『奇経八脈考全釈』李時珍著 小林次郎訳 燎原

 

 

 

 

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「腹哀」という経穴 ④

2019.01.29

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これまでのお話し

 

「腹哀」という経穴 ①  

「腹哀」という経穴 ②  

「腹哀」という経穴 ③       参照

 

 

 

◆「腹哀」は胆の募穴「日月」、肝の募穴「期門」と近い☆

 

 

ここまで、ほとんど誰にも顧みられることの無い、超マイナーな経穴である「腹哀」穴に関して、

 

1.所属経絡としての魅力、

 

2.位置的な魅力、

 

3.横並びの重要経穴群の魅力、

 

4.字解き(字義解釈)上の魅力

 

について触れてきました。

 

 

これだけ挙げても、まだまだ他にも魅力的なんです、腹哀は。(゚∀゚)

 

 

今度は「縦並び」です。

 

 

実は腹哀穴のすぐ上には、胆の腑の募穴である日月穴、その上には肝の臓の募穴である期門穴があります。

 

「胆」って何ですか?(その12)

「肝」って何ですか?(その13)   参照

 

 

 

現行の経穴学の教科書『新版 経絡経穴概論』(日中韓合意WHO採用版)では、期門穴の位置は巨闕穴の外方4寸、第6肋間に取穴する、とあります。

 

 

 

我々が卒業した頃の教科書では、「期門穴」は第9肋軟骨の付着部の下際に取る、と教わっていました。

 

 

もともと、期門穴の位置については諸説あり、現在の教科書では「第6肋間説」が採用されているようです。

 

 

期門と日月

 

 

↑↑この写真でいうと青印は日月穴、その上の赤印が現行教科書の期門穴、下の赤印が旧教科書の期門穴です。

 

 

僕としては、鍼灸学生時代に、腹哀穴の真上に日月穴、その真上に期門穴という縦並びの位置関係に着眼していたので、どうも現行教科書の説には馴染めません。

 

(笑・・・まあ、あそこに反応出ることもあるんだけどね(;’∀’))

 

 

腹哀足太陰脾経上の経穴で奇経八脈陰維脈と交わり、位置的には帯脈上にも位置し、日月足少陽胆経上で胆の募穴、期門足厥陰肝経上で肝の募穴、

 

この3経の重要穴処が「あそこ」に配されていることに、個人的には深い意味を感じずにはいられません☆

 

 

 

「あそこ」とはもちろん、「膈」付近であります。

 

 

 

続く

 

 

 

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「腹哀」という経穴 ①

2019.01.24

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久々に、経穴の話でもしようかな。(゚∀゚)

 

(たまには専門家らしいところを見せとかないと。(笑))

 

 

僕は臨床で、北辰会どころか、どこの流派も使わないような経穴を使うことがあります。

 

(・・・まあ、鍼師は割かしみんな、そういうのあるんじゃないかな。個人的注目経穴ね。)

 

 

その一つが「腹哀」穴です。

 

 

腹哀は、正経十二経では足太陰脾経上にあり、しかも奇経八脈陰維脈上の経穴です。

 

経絡(十二正経)

経絡(奇経八脈)     参照

 

 

建里と腹哀

 

 

医道の日本社『新版 経絡経穴概論』(WHO、日中韓統一版)では、任脈上の建里の外方4寸、とあります。

 

(写真では青が建里穴、赤が腹哀穴です。)

 

 

 

まずこの、任脈上の「建里」穴が魅力です。

 

 

「裏を建てる」

 

 

そして、その横ラインにも、魅力的な名前がズラリ。

 

 

石関、関門、腹哀、章門といきます。

 

 

この「関」の字の重要性についても、以前書きました。

 

「反訓(はんくん)」について    参照

 

 

裏を建てる建里の並びに、表裏内外(上下もかな)の関所たる経穴が並び、側腹部には「章(あきら)かな門」である章門穴がある。。。

 

(章門の章の意味は諸説あり)

 

 

しかも腹哀のやや内側には「関所の門」たる関門穴がある。。。

 

 

因みにこの高さは、背中だと命門、懸枢ラインあたりでもあり、その並びには三焦兪、腎兪、肓門、志室、京門があります。。。

 

 

「腹哀」は、まさにそういう超重要なライン上にある経穴であることが分かります。

 

 

この横ラインは、奇経八脈帯脈の上部、とも言えます。

 

 

それでいて、陰維脈上の経穴。。。

 

 

「哀」という字があてられている。。。

 

 

実に興味深い。

 

 

 

続く

 

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 6

2018.07.31

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これまでのお話

 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 2 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 3

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 4

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 5    参照

 

 

◆『黄帝内経素問』脉要精微論(17)のポイント 続き

 

 

さて、『素問』のたいへん重要な篇である「脉要精微論(17)」の最後の部分です。

 

 

推而外之.内而不外.有心腹積也.

推而内之.外而不内.身有熱也.

推而上之.上而不下.腰足清也.

推而下之.下而不上.頭項痛也.

按之至骨.脉氣少者.腰脊痛而身有痺也.

 

 

とあります。

 

 

ここを簡単に訳しますと、

 

 

脈を内から外に向けて押して、内のみで打つものは心腹に積聚あり。

 

脈を外から内に向けて押して、外のみで打つものは身体外熱。

 

脈を下(尺位)から上(寸位)に向けて押して、尺位にのみ打つものは腰下肢の冷え。

 

脈を上(寸位)から下(尺位)に向けて押して、寸位にのみ打つものは頭項痛。

 

脈を骨にまで強く押さえて、弱いものは、腰脊痛で痹病。

 

 

となります。

 

 

ここでは、内外と上下(寸尺)に加えて、浮沈でも脈を比較しています。

 

 

手首の脈診部位を、

 

外から内、内から外、尺から寸、寸から尺、さらには浅い位置から深い位置

 

と、診る(指で押す)方向で噛み分けることで、脈診部位に全身を投影した場合の、病の深さと位置を窺っています。

 

 

面白いですね☆

 

 

このように、東洋医学では、局所には全体が投影されているとの考え方の下、全ての診察を行っていきます。

 

 

・・・で、総合的に判断して、「証」と「病因病理」を構築し、治療にあたります。

 

 

 

【参考文献】

 

『現代語訳 黄帝内経 素問』東洋学術出版社

『現代語訳 奇経八脈考』東洋医学術出版社

『奇経八脈攷 全釈』燎原

『経穴密語集』岡本一抱

『多紀元簡 素問識 上下巻』績文堂

 

 

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 2

2018.07.20

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前回のお話

 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1   参照

 

 

◆脈の内外上下

 

 

前回、「気口九道脈診」というものを少し紹介しました。

 

 

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↑↑この図は、私が尊敬する李時珍(1518-1593)『奇経八脈考』の最後の方に、こんな図で描かれ、説明されている脈診法であります。

 

(岡本一抱(1655-1716)『経穴密語集』より)

 

 

患者さんや、西洋医学の医療者の方など、東洋医学のまったくの素人の方も多く読んで下さっているこのブログですから、この脈診法の専門的で詳細な解説はしませんが、

 

最近になって、中国の明代に李時珍(1518-1593)が唱えた、この脈診法を、現代の日本の鍼灸臨床で実践しよう、という先生方が出てきているようです。

 

 

今年の11月に大阪で行われる日本伝統鍼灸学会の学術大会では、この脈診法に関して、シンポジウムが行われるとか・・・。

 

日本伝統鍼灸学会 第46回 学術大会HP    参照

 

 

実は、この脈診法を、昭和の時代にすでに日本鍼灸界で臨床実践していた鏑矢は、蓮風先生のご尊父である藤本和風先生です。

 

 

和風先生以外の有名な先生で、この脈診法を臨床実践していた先生がいたという話は、僕は聞いたことがありません。

 

(もし誰か知っていたら、教えて下さい。<m(__)m>)

 

 

最近になって、「気口九道脈診」を臨床で実践しておられる先生方も、もともとは和風先生自身や、和風先生の主宰していた「無極会」という勉強会で教わっていた先生方の影響を受けているのではないかと思います。

 

 

・・・で、この脈診法はどういうものかというのを、ここに簡単に述べますと、他の脈診法と同じように、手首にある橈骨動脈の拍動部位を診るのですが、

 

拍動部位を外側から診るのと、内側から診るのと、真上から診るのとで、

 

橈骨動脈を3方向から診て、それぞれの部位で、十二経絡と奇経八脈の変動を同時に窺うという、ちょっと変わった脈診法なのです。 

 

経絡(十二正経)

経絡(奇経八脈)   参照

 

 

この脈診法は、十二経絡はともかくとして、同時に奇経八脉の変動をも窺うことが出来ると言われる、貴重な脈診法であります。

 

 

「奇経八脈が病んでいるのかどうかを窺い知る簡便な方法」というのは、古典の中には、意外とないのです。

 

(いや、あるぞ!!という方、おられましたらぜひ教えて下さい。<m(__)m>)

 

 

まあ、この脈診のルーツは、李時珍が急に言い出したというよりは、その親父さんの李言聞が書いた『四言挙要』という著書の中に出てくるようで、

 

そのさらに淵源は、そこからさらに1000年ほど遡って、有名な王叔和(3世紀)の『脈経』にあると言われます。

 

 

そもそも、あんなに小さい部位である、手首の橈骨動脈の拍動部位を、寸関尺、浮中沈の三部九候に分けて診るのすら十分細かいのに、さらに外側、内側、真上と3つに分けて診るだなんて、

 

細かすぎるよそんなん・・・、と思う人が多いかもしれません。

 

 

でもこういう考え方は、すでに『黄帝内経』にあります。

 

 

ふう、やっと今回のタイトルに寄ってきた。。。

 

 

脈診の話をし出すと、取っ散らかっちゃって、キリがない。(苦笑)

 

 

言いたいことが色々あり過ぎる。(*‘∀‘)

 

 

 

【参考文献】

 

『埋もれている脈診の技術 気口九道』平口昌幹 燎原

『現代語訳 奇経八脈考』李時珍著 勝田正泰訳 東洋学術出版社

『奇経八脈攷全釈』李時珍著 小林次郎訳 燎原

『経穴密語集』岡本一抱

 

 

 

続く

 

 

 

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(一社)北辰会スタンダードコース大阪会場に参加してきました!!

2017.12.05

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12.3の日曜日は、大阪で行われた(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!

 

 

午前中は実技訓練。

 

 

聴講生の班を久々に担当させていただきましたが、聴講生の方もよく勉強しておられますね。

 

 

ああいう努力を数年間、数十年間、継続すれば、いつの間にか力がついていくことでしょう。

 

 

午後は芦屋で「鍼風堂」を開業している各務裕貴先生による「睡眠」に関する講義。

 

 

”不眠”に代表される、睡眠障害を主訴とする患者さんは多いし、何か他の症状のある患者さんでも、睡眠障害を伴っている患者さんは非常に多いです。

 

 

しかもこの「睡眠」について、キチッと東洋医学的に説明してある本は意外と少ない。

 

 

今回、本部のみで行われた貴重な講義、各務先生は立派にやっておられました。

 

 

最後は私から「奇経八脈 シリーズ①」。

 

 

今回、新風先生の代打であり、しかもEラーニング用の講義ということで、気合い入れていきました!!

 

 

かれこれ、奇経に興味を持って15年以上。

 

 

まあ、スタンダードコースでもあるし、奇経八脈にまつわる全てを、僅か90分で理解させるなんて、土台無理な話。

 

 

だから、皆さんにこれから長く長く、一生かけて奇経を勉強していっていただくために、その材料を提供するような内容にしました。

 

(一部リクエストがあったので、強引に臨床の話も入れつつ。(笑))

 

 

・・・まあ、これまでの私のお勉強の、超ダイジェスト版のような講義になりました。

 

 

あれを材料に、「あくまでも基礎を主軸に」慎重に、弛まず勉強を進めれば、いつの間にか非常に鍼が上手くなることと思います。

 

 

 

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「築賓」という経穴

2017.11.22

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先日、「交信」という経穴について書きました。

 

「交信」という経穴   参照

 

 

今日は「築賓」について書きましょう。

 

 

築賓は、奇経八脉の中の陰維脉の郄穴として有名です。

 

 

これも『甲乙経』が初出、ということになっています。

 

 

「奇経八脈」という名前が歴史上に初めて登場し、定義づけられるのは前漢の『難経』からなんですが、この『難経』の28難に、

 

「陰維脉は諸陰の交に起こり、陽維脉は諸陽の会に起こる。」

 

という有名な言葉があります。

 

 

東洋学術出版の『難経解説』によればこの、「諸陰の交」というのは、築賓穴を指している、と書かれてます。

 

(これについては個人的には、三陰交の方が相応しくないか?と思っていたりしますが。。。)

 

 

築賓の「築」は建築の築、堅実なことや、杵(きね)を意味します。

 

 

「賓」には住むところ、という意味があるようです。

 

 

堅実、住むところ、建築、といったイメージからは、陰気の留まる経穴、と連想できます。

 

 

補法をすれば滋陰に作用し、瀉法をすれば陰邪を散らすか。

 

 

この経穴は経穴書を見ると主に狂症等の精神病を主治する経穴なんですが、『高等鍼灸学講義』に、鉛毒、胎毒と出てきます。

 

 

これはなかなか興味深い穴性です。

 

 

澤田流の澤田健先生は、築賓を

 

「腺病毒、梅毒には必ず使う」

 

と言っております。

 

 

解毒力の発現機序と、陰維脈の性質から、これの理由を考えてみると面白いでしょう。

 

 

 

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「交信」という経穴

2017.11.20

20170523_014447.JPG

 

 

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奇経八脈の中でも、蹻脈と維脈には、郄穴があると言われます。

 

 

郄穴の定義は、

 

郄穴の郄は間隙の隙を意味し、気血の留まるところであり、急性の疾患、急性の疼痛に有効な経穴

 

と言われます。

 

 

歴史上初出は皇甫謐(215-282)『鍼灸甲乙経』です。

 

訳本購入はこちら!!

 

 

ここに、陰蹻脉の郄穴として「交信」という経穴が出てきます。

 

 

これ、昔から、妙に気になる経穴です。

 

 

この経穴は、腎を補う要穴と言われる「復溜」という経穴の真横にあります。

 

(近すぎるぐらい、真横にあります。(笑))

 

 

こんな近いのに、片や補腎、片や急性の疼痛を除痛、これってどうなんだろう・・・、と思っていました。

 

 

「交信」「交」の意味は交会(こうえ)する、交わる、という意味であり、ちょうどここから、超有名な三陰交という経穴に腎気、腎脉が分かれる、

 

という意味なんだそうであり、「信」には時間を守る、という意味があり、転じて女性の月経を示し、月経異常に有効な経穴、と言われるようです。

 

 

なんと、それが陰蹻脉の郄穴に配されているとは。。。

 

 

シャレてるぜー、皇甫謐!!

 

 

シビレるぜー、『甲乙経』!!

 

 

 

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